紫陽花の花と大切な家族の写真
友人の結婚式、披露宴に出席した際の話しです。
大学時代から仲良くしていた友人が結婚する事になりました。彼女はとても明るく、いつも笑顔の絶えない人でした。よく彼女の家にも遊びに行きました。
そんな彼女の結婚式にお母さんの姿はありませんでした。出席されているのはお父さんと弟さんだけでした。彼女が結婚する1年前にお母さんは癌で亡くなられていました。 旦那様の横に座る、ウエディングドレス姿の彼女は、いつもの明るい笑顔です。そんな彼女が声をつまらせ、大粒の涙を流し、感謝の手紙を読んでお父さんにプレゼントしたのは、お母さんが大好きだった紫陽花の花と家族4人の写真でした。お母さんが元気だった頃の写真です。きっとお母さんもこの会場のどこかで友人の綺麗なウエディングドレス姿を見ているだろうと思いました。泣きくずれそうな彼女を、優しい彼がしっかり横で支えていました。私も友人達も涙でグズグズになりました。
披露宴会場には、青、紫、桃色とあちらこちらに紫陽花の花が飾られていました。披露宴に紫陽花は珍しいと思いましたが、6月の花嫁さんだから?と勝手に解釈していました。紫陽花の意味は、これだったのかとその時分かりました。
素敵な披露宴でした。